理念浸透のカギは「唱えるではなく伝える」~信頼されるリーダーが実践する伝え方
ご覧いただきありがとうございます。
「理念はある。毎朝の朝礼や会議で唱和しているが、それ以外には何もしていない。」
あなたの職場では、そんな状態になっていませんか?
私はこれまで、行政の立場から労働保険制度を通じて
数えきれない程の企業と向き合ってきました。
働きやすい職場作りや災害防止のための様々な制度や仕組みは
整っているのに、その必要性や意味が現場には浸透していない。
その背景にあったのは、「伝わっていない」「語られていない」という現実です。
つまり、企業が大切にしている、伝わってほしい大切な理念や制度を
「自分の言葉で伝えるリーダー”が圧倒的に不足している」ということです。
〇理念が浸透しない職場に足りないもの〇
理念そのものが悪いわけではありません。
問題は、「理念の本当の意味が伝わっていない」ことです。
組織変革コンサルタントの師匠は、このように述べています。
「上司の9割は、理念を語れない。それが現場に響かない最大の理由だ。」
理念は文字として掲げられるだけ、呪文のように唱えるだけでは、意味を持ちません。
リーダー自身が自分の体験や想いを通して語り
チームの皆さんの腑に落ちることで
はじめて理念が【行動の軸】として機能していくのです。
〇信頼を生むリーダーの「伝え方」の特徴とは?〇
理念を語るとき、難しい専門用語や正解を並べる必要は全くありません。
大切なのは、自分自身の経験や感情をのせて伝えることです。
自分自身にこんな質問を投げかけてみてください:
・なぜこの理念に共感したのか?
・過去にどんな体験と結びついているのか?
・今の行動や判断にどう活かしているのか?
このように自分事にして伝えることで、チームの皆さんの心に届くようになります。
指示するよりも共感を得ることが大切です。

〇実践的ステップ:伝えるためのリハビリ3選〇
「話すのはちょっと恥ずかしい」
「何から話せばいいのか言葉が見つからない」
そんなリーダーに向けて、今日から始められる「伝える習慣」をご紹介します。
1 日常の出来事と理念を結び付けて話す
例:「今日は、「挑戦」という理念がぴったりな場面があったなと思って…」
(挑戦という言葉が理念の中にある場合)
2 会議の冒頭で、最近感じた事をシェアする
例:「実は先週、自分自身も迷ったことがあって…」
3 聴いている人からの意見を求め過ぎない
伝えることは“撒くもの”です。育つには時間がかかるものだと捉えましょう。
(種まきをしてから芽が出るまで待つような感覚です)
〇「伝える」がもたらすのは「信頼」と「共感」〇
制度や仕組みでは変わらないものも、
リーダーが伝えることによって空気が変わる瞬間があります。
リーダーが伝えることで、「この人の言葉は本気だ」とチームが感じるようになる。
その信頼と共感が、後には組織の文化を動かしていきます。
あなたの職場では、理念が「掲げられている」「唱えられている」だけで終わっていませんか?
まずは1つだけででいいので、理念にまつわる小さな体験を、自分の言葉で伝えてみてください。
あなたの「伝える」という行動が誰かの勇気になり
組織の“空気”を変えるきっかけになるはずです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
