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「数字を追うな、感情を見よ」~過労死統計が示す組織の盲点~

ご覧いただきありがとうございます。

令和6年度、精神疾患による労災支給決定件数は1,055件。これは過去最多の数字です。
最も多かった原因(出来事)は
「上司からのパワーハラスメント」

つまり、組織内の人間関係が命を脅かすほどの深刻な問題になっているのです。

私はこれまで行政の現場で、労災保険制度のゆりかごから墓場までに関わってきました。
企業や労働者から寄せられる労災保険の相談や、申請に対する補償費調査を進めていく中で、痛感してきたことがあります。
それは、「制度があっても、人が動かない」
「目標は立てても、現場が疲弊する」
といった、「仕組み」と「人」の乖離です。

現在、組織変革の支援に関わる中であらためて確信しているのは
「成果の陰には、感情の置き去りがある」
という現実です。

〇感情が共有されない職場の末路〇
なんで、ここで感情を語るのか?
それは、どんなに素晴らしい計画や優れた制度があっても
「信頼」や「安心」のない環境では根付かないからです。

厚生労働省のデータが示す請求件数3,780件の精神障害。
この数字には「声を上げられなかった人たち」がこんなに大勢いたということです。
もちろん、これは氷山の一角であることも分かっています。

認定されなかった事案もありますが、認定基準を満たさなかっただけで
組織内の人間関係に何らかの問題があったということが分かります。

忙しさが優先して、話せる雰囲気がない。
会議があっても言いたいことが言えない。
相談しても返ってくるのは叱責や否定ばかり。

このような空気の中では、人は守りに入り、協働も生まれません。

〇数字ではなく「関係の質」を見つめよう〇
私が知っている「いい会社」と評価されている企業では
成果を出している現場に、ある共通点がありました。

それは、「関係の質」がとても高いことです。

職場内での信頼関係が育まれ、安心して意見が言える。
その結果、思考の質が上がり、行動の質が変わり、結果として成果の質が上がっていく
という、組織作りに必要な成功循環が生まれていたのです。

〇まずは、自分の感情を開くことから〇
多くのリーダーが「部下の感情を汲み取ろう」としますが
最初に変わるべきは、リーダー自身です。

たとえば「不安だった」「迷った」「悔しかった」
そうした感情を率直にチームに伝えることで、職場の空気は変わり始めます。

【感情はマネジメントの敵ではなく、最高の資源】
私は、制度の限界と現場の実態を見てきた経験からこそ
このように確信しています。

 

 

次回は、「関係の質」がなぜそこまで重要なのかについて深掘りします。
組織が本当に変わるきっかけを一緒に探っていきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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